羽倉賞受賞記念講演会&ネットワークパーティ開催レポート

第2回羽倉賞作品募集が8月1日よりスタートします。本年の作品・取り組みを募集するに先立ち、前回の受賞を記念した講演会とネットワークパーティを開催しました。第1回羽倉賞(2017年11月16日授賞式)の受賞者4名をお招きして貴重なご講演を聞ける機会を設け、広く一般の方にもご参加いただけました。最先端の講演は好評を賜り、表現技術の利用推進という目的に貢献できました。表現技術関連企業様をはじめ、クリエイター様、報道関係者様、研究者様、関係団体様など当協会らしい多彩な顔ぶれの皆さまで当日はたいへん盛況でした。お暑い中、足をお運びいただいた皆さまに御礼申し上げます。時代の最先端を牽引される受賞者の皆さまのご講演内容を、以下で一部ご紹介させていただきます。

羽倉賞受賞記念講演会 開催レポート

開催日 2018年717日(火) 会 場 株式会社フォーラムエイト
東京本社(東京都港区)
主 催 一般財団法人
最先端表現技術利用推進協会
協 賛 株式会社フォーラムエイト

■羽倉賞


発表者

株式会社資生堂
花原正基氏

作品名

Tele Beauty
 花原正基氏 資生堂クリエイティブ本部(受賞当時・宣伝デザイン部)は最新テクノロジーを応用するDesign R&Dプロジェクトを手がけておられます。受賞作品であるTeleBeautyもその一環として開発された作品です。高度な画像処理技術と、資生堂ならではのメイク技術が見事に融合された作品を実際の動画と共にご紹介いただきました。シンプルなUIによって、状況に合わせたメークパターンが数種類用意されていること、ストレスなくオンライン会議に参加することができ、機能とデザイン性が見事に両立されている様子をご発表いただきました。「オンライン会議で化粧を気にするのは日本独自の文化では?」といった指摘もあったといいますが、SXSW2017(アメリカ)に出展したところ世界の女性からも好評を得ることができました。

■VR技術奨励賞


発表者

金沢美術工芸大学
中安翌氏

作品名

Luminescent Tentacles

キネティックサーフェイスシステム
 中安翌氏 中安氏は「常に美的なものから触発や刺激を受け作品を制作している」と言います。今回作品にあるような触手的なものに関しては、先行作品が何点か存在していたので、特に「なめらかな動き」をテーマに作品制作に取り組まれています。発表の中で、素材の進化やさまざまな技術的な課題を解決してようやく完成へと辿り着かれた様子を具体的にご紹介いただきました。作品(作品紹介動画参照)のなかで256本設置したアクチュエータ=触手は、1本ずつ形状記憶合金に流れる電流の制御によって6方向に曲げることができます。この触手を個々に制御する事で、より滑らかで自然な動きを実現することが可能となりました。今回、この作品の為に開発された「触手ユニット」はメーカーとの協力で現在製品化が計画中とのお話もあり、中安氏の今後の活躍と期待が高まる発表となりました。

 ■映像技術奨励賞


発表者

和歌山大学
天野敏之氏

作品名

日本橋三越本店天女像音と光の
インスタレーション
 天野敏之氏 カメラを使った光学フィードバックによって、見かけの色彩や様々な質感を自由に操作できる投影システムについて事例を用いたご発表です。この投影システムは、リアルタイムにカメラで撮影した映像に対してその場で演算し、フィードバックを掛けることで、動態や、複雑な形状に対しても投影が実現可能です。作品で対象となった日本橋三越本店天女像は、高さ10mとたいへん大きく、木彫りで、複雑な形状をしていますので、縦に3分割して3台の光学フィードバックシステムを用いてインスタレーションを実現させたとのことです。3台の同期に工夫したことなど、制作秘話もお話しいただきました。その後も投影システムの高性能化を図っており、活用事例として飴やグミに対する投影、花や木の枝などのさらに細かいものにも投影可能となった様子などをご紹介いただきました。

■表現技術利用促進奨励賞


発表者

和歌山大学
尾久土正己氏

作品名

実写全天映像を使ったスポーツ・観光の
新たな映像表現の普及
 尾久土正己氏 尾久土氏が全天映像への取り組みを本格化したのは、2009年の皆既日食がきっかけでした。元々天文関係に従事していた尾久土氏は、活動拠点の奄美大島からインターネット経由してプラネタリウムへ皆既日食を投影することを試みました。このことで、プラネタリウムで月の影によって空が暗くなっていく様子を全天周に上映して、これまでにない映像体験の実現に成功したといいます。氏は、全国に300近くあるプラネタリウムを利用して地域の観光名所を紹介したり、またスポーツ中継などに用いることで地域振興を目指されています。その一環である受賞作品は、収差の少ない特注の魚眼レンズを4Kカメラに装着して撮影されました。現在のプラネタリウムの最高の解像度は16Kなので、16Kの実写映像を撮影できるよう、今後の技術進歩に期待されているとのことです。尾久土氏はオリンピックなどのスポーツイベントでの全天映像の活用に向けて現在も鋭意活動中です。


会員作品展示

 会員展示ブース シリコンスタジオ株式会社様(法人会員)資料配付
傘木宏夫氏(NPO地域づくり工房)パネル展示
渡辺雄志氏(映像ディレクター)動画、パネル展示
中森寛太氏(公益財団法人鎌倉能舞台)資料配付
石川洵氏(石川光学造形研究所)光学装置の展示
・3次元映像のフォーラムプロジェクト会誌展示


ネットワークパーティー

 会員展示ブース 講演会後にネットワークパーティを行いました。登壇者の皆さまをはじめ、当協会会員様、一般のご来場者様、当協会関係者など、多くの方々にご参加いただき、楽しいご歓談と交流が和やかに行われました。羽倉賞受賞記念講演会&ネットワークパーティへご参加とご協力をいただいた皆さまに御礼を申し上げます。
(左)伊藤裕二理事長のご挨拶

 

▼関連リンク
第2回羽倉賞募集ページ
第1回羽倉賞発表